つくりたがり自由研究

世界一簡単な無添加

ごみ拾いで腸内環境を考える

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水入れされた田んぼは、この時期だけの景色。

腸内環境とプラスチックの深いつながり

腸活という言葉がトレンドになっています。ごみとして街に落ちているものはタバコ、そして菓子パンやジュース、コンビニ弁当など、添加物とお砂糖たっぷりの食品が入っていたパッケージが中心です。それらは保存料や様々な薬品を入れて賞味期限を延ばし、プラスチック包装で腐らないよう密閉されています。

 

お砂糖は悪玉菌の好物、添加物は善玉菌に作用し腸内環境を乱します。環境に負荷がかかるものは身体にも影響があります。そして、まだ未確認とされるプラスチックが与える直接的な人体への影響について。

 

目次

 

なぜ今プラスチックは悪とされているの?
  1. 人体(生物)にとって異物である
  2. プラスチックは素材の添加剤と有害な環境ホルモンを吸着・濃縮する性質を持つ

人体への影響はこの2つの側面があります。

 

公害病であるカネミ油症の原因であり、発がん性、催奇性があるとして40年前に禁止されたポリ塩化ビニフェル。一度世に放たれたそれは幾世紀も地表と海洋を漂い、プラスチックごみがそれら吸着します。

 

魚たちが誤飲したマイクロプラスチックは食物連鎖に入り込みます。ポリ塩化ビニフェルを始め、様々な環境ホルモンが濃縮された状態で私たちのお腹に入ったら‥‥

出産率が下がっている原因であるとの研究も進んでいますが健康被害の直接証拠は未だありません。しかし実験室レベルでの知見が蓄積され、有害物質の生体への蓄積(海鳥など)も確認されて、黒に近い灰色になってきています。

 

身体にプラスチックが入り込むルート
  1. 野菜
  2. 大気
  3. 化粧品のマイクロビーズ
  4. 使い捨ての生理用品
  5. フライパンのテフロン加工
  6. 不織布・透明のティーバッグ
  7. 柔軟剤
  8. ペットボトルの成分
  9. 肉・魚

etc..

反対に入っていないものをあげた方が早そうですが、少し補足します‥

 

人工物が混ざった塩

どこのビーチでも必ず砂に紛れているマイクロプラスチック。ロブスターがゴミを噛み砕いてマクロプラスチックにしてしまうという記事がありました。食べ物ではないと判断しない生き物はロブスターに限りません。私たちも海塩に混ざったプラの粒子や塩の生産過程でしみだしたその環境ホルモンを少量ずつ、日常的に口にしていることでしょう。

 

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海岸に打ち上げられたペットボトルのキャップやライター
 

変わりゆく土壌

レタスからも検出されています。従来の研究では、根の組織が吸収できるサイズではないと言われてきましたが、それをくぐり抜けることが証明されました。

 

迷子ごみは劣化し、田畑の土に紛れ込みます。風化したペットボトルのラベルはトングで掴むとハラハラと粉々になり、その破片をミミズたちが更に小さくして分散させます。物理的な側面では、土壌の構成に土として機能しないプラ粒子が混ざると栄養のある土の密度が低くなります。

ある種のプラスチックは植物の生育を促し、ある種は阻害し、ある種(合成繊維)は完全に死滅させた

✴︎プラスチックスープの海 北太平洋巨大ごみベルトは警告する より抜粋

 

企業や農家、消費者が今のままプラスチックに頼り続けると、健康な土は減少の一途を辿り、育てられない野菜が出てくることが予想されます。

 

空気中に漂うプラスチックの微粒子

 樹氷はその時の大気環境を反映している

福岡工業大学の永淵修教授は、九州の山の樹氷や大気中から大きさが数十~数百マイクロメートル(1マイクロメートルは1千分の1ミリ)のポリエチレンやポリプロピレンを見つけたと発表しています。一度は目にしたことのある、室内を舞うとても短いクモの糸のようなホコリを彷彿させます。皆さんはあれがプラスチックかどうか考えたことはありましたか?

 

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広い植え込みの奥に入り込んで回収困難。気にしだすとどこにでも落ちているプラごみ。

まとめ

腸内環境と食事、健康と環境ホルモンの関係にはプラスチックが深く介入しています。一方で医療器具など清潔に保つ必要のあるものを安価で作り、安全な生活を支えてくれているプラスチック。安定供給などが複雑に絡んだ社会システムは、地球の寿命に関わる問題を抱えています。だからこそ、一人一人の関心は重大でごみ拾いは大きな力になります。根本の問題を理解して、不法投棄への不快感も少しは和らぐようにとこの記事を書きました。お散歩がてらのごみ拾いは、予期せぬ発見をもたらせてくれます。

 

 ✴︎参考文献

図解でわかる 14歳からのプラスチックと環境問題 

◯基礎を理解するのに助けになる本です。中はカラーの図解が盛り沢山で視覚的にやさしく、スラスラ入ってきます。

 

   

プラスチックスープの海 北太平洋巨大ごみベルトは警告する

◯こちらは海に出て調査している方の執筆で、日本では出ない貴重な情報も散りばめられています。

 

✴︎参考リンク

第4回 マイクロプラスチックの健康への影響は? | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

9割の食塩からマイクロプラスチックを検出 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 畑で育つ野菜からもマイクロプラスチック粒子を検出 | SciencePortal China

空気中に微量プラスチック…実態は? │ TBS NEWS 【現場から、】SDGs 2030年の世界へ